鮮やかな緑が色をかえ、真っ赤になった葉を揺らす頃。


あたし達は大きなバスに乗り込んでいた。
何台も連なって走るバス。今日から2泊3日の修学旅行だ。


バスは高速を降りて、観光スポットへと差し掛かる。
そこは古き良き日本、京都。

先生に引率されて、バスを降りると、そこは有名な清水のお寺だった。



「わあ、見て見て。あそこに舞妓さんがいる!」

「あ、ほんと」


爽子があたしの手を引いて、楽しそうに指差した。


「って、爽子!いいの?ここにいても」


とっても自然にあたしの手を引いていたから忘れかけてたけど、爽子はトワと同じ隣のクラスなのだ。

驚いたあたしに、爽子はきょとんと首を傾げた。


「え?だって向かうところはおんなじなんだよ?」

「そ、それはそうだけど……」


そう言うもの?
うーーんと眉間にシワを寄せてみたけど、楽しそうに笑う爽子を見てたらそれ以上は無駄だと思い、はあとため息を零した。