でも……。
―――カランコロン!
勢いよくドアベルが鳴って、月の魔法が一気に解けた。
寸前でトワの胸を慌てて押しのけて、お店の入り口を仰ぎ見た。
え?
「か、カナト!ちょ、ちょっと待っ……あ。」
しれっとお店から出てきたのは、カナトくん。
その後を追ってきた、焦った様子の爽子。
後ろに続いて、顔を出した廉次さんとナギさん。
ナギさんは、あたし達と目が合うと、パッと笑顔になって手を振り上げた。
「じゃあね~、トワ!あたし明日早いから先に帰るよ~」
「俺も帰ろ」
「あ、僕も!」
ナギさんに続いて、松田君と郁くんもお店を飛び出してきた。
白々しいみんなの態度……。
「真子ちゃん、ごめんね……」
そして、トドメに半泣きで謝る爽子で確信した。
見られてたんだと。
ひええええ……。