「ごめんね。カナトの事」

「え?」


キョトンとするあたしに、爽子は柔らかな笑みを浮かべたまま言った。


「修也の事もごめんね?」

「あ、それはあたしが勝手に勘違いしてたから」


フルフルと首を振った。
もういいんだよ、爽子。


「あたしがもっとはっきり言ってれば、真子ちゃんツラい想いしなくてすんだのに」

「爽子、あたしはもう大丈夫」


強く言って、布団から身を乗り出した。


「大丈夫だから、ね?」

「ん……ありがと……」


柔らかな髪に手で触れてみる。

爽子はウトウトと目を閉じて、それから思い出したようにその瞼はもう一度持ち上がった。


「どうしたの?」

「藍原君は?」

「え?」



トワの名前が出てきて、首を傾げたあたしに、爽子はニコニコと言った。




「藍原くんの事、好き?」

「……」





え?