ますますわからなくなって、押し黙ると、正宗さんは眉を下げた。


なぜかこのお屋敷では、トワが蔑まれていた。

言い方とかはストレートで、冷たいって思われがちだけど。
そんな事ない。

トワと一緒にいて、トワをそばに感じる今ならわかる。

トワの心は、彼の瞳のように綺麗で、透明なんだ。
優しくて、繊細で。

あたたかい……。

あたしは彼の優しさに、何度も触れた。

だからわかる。


そんなトワが、どうしてあんな風に言われなくちゃならないのか、あたしは知りたい。




「あの、教えて下さい!トワの事、それから三國家の事。なんでもいいんです」


いきなり声を張り上げたあたしに、正宗さんは目を見張った。
だけど、すぐにそれは優しいものへと変わる。



「……わかりました。お話します。この三國に伝わる、十二支と猫の楔を」