Plan：wish

愛知県沖の埋め立て地に建設された宇宙航空センター。
世界からの注目も高く、最新鋭の機器が次々と導入されている。
職員は9割が日本人であり、他国民族は数えるほど。

そこへ国際プロジェクトが持ちかけかられたのは、19年前。

名を“wish”といった。

オーストラリア連邦とアメリカ合衆国が共同で行ってきた月基地の開発が終盤に差しかかり、その後の火星開拓の指揮等を日本に任せようというものである。

当初の予定ではオーストラリア連邦とアメリカ合衆国が引き続き着手する予定だったのだが、月基地の開発で力を使い果たしたため一度暗礁に乗りかけたのだ。

そこへ時の総理大臣・殿村誠が火星開拓の権利を勝ち取ってきた。息子の口添えがあったという。

世界に日本の宇宙工学を見せつけてやろうと各マスコミが騒ぎ、国民も、世界に貢献していながら肩身の狭い思いをしている現状を打破できるのではと、日本中がこのニュースに沸いた。

世を席巻しているオーストラリア連邦とアメリカ合衆国の後任とあって、各国の日本宇宙航空センターの注目度は高まる一方。
莫大な資金の提供まで受けることが出来た。