「相馬殿はそれでよろしいのですかな」

「先ほどから黙っておられるが」

「おいおい君は。彼らがオーストラリア連邦とアメリカの決定に逆らうとでも」

「ははは。そうでしたな。これは失礼した!」

連日続く各国首脳のなじりに、相馬は奥歯を噛み続けている。

こいつらも飽きることなくよくやるなと強がりながら。

「ところで相馬殿、君のとこの総理はどうしたね」

つい先日、総理が暗殺されたばかりだった。
もちろんこれは隠しておきたい事実なのだが、企てたのは間違いなく国連の連中だ。

「生憎とうちの総理は多忙なもので」

クスクスと囁くような笑いが響いた。
せめてもの抵抗にと睨んでみたが、効果を期待する方がおかしかった。