花言葉

次の日、わたしは少しどきどきしながら図書館に向かった。



──この感情が恋だなんてわかっていなかった。


図書館に着いて、わたしの指定席を見る。

(今日は──いない…)

少しがっかりもしたが、席に向かう


と、机の上に紙が置いてあった。


『ここの席の子へ
昨日は君の席って知らずに勝手に座っていてごめんなさい。次からは気を付けます』



と、男の子特有の、でも丁寧に書こうとしたのか消したあとがたくさんある。


それを読んでわたしは思わず笑ってしまった。




その日の帰り、わたしは偶然にもヤツを見つけてしまった。

図書館からの帰りの道にあるコンビニで、ヤツを見た。
いや、それ以前にヤツがわたしを見つけていた。

ヤツは急いでコンビニを出てわたしに話しかけてきた。

「メモ読んでくれた?」