「もしかして、ここ、君の席?」 と訊ねてくるその人懐っこい表情。日の光にきらめいている少し茶色の髪。 ヤツは特別外見がいいわけでもなかった。 でもわたしは何故か、ヤツに見とれてしまったんだ。 「え、いや、あの、全然わたしの席じゃないですっ!!!」 と変なことを口走り、わたしはそこを立ち去った。 わたしはその日逃げるように家に帰った。