タッタッタッ…
5人の男子が次々と教室に入ってくる。

「キャッ！ねぇ見て！超イケメン！」
女子たちが黄色い声で口々に囁く。

まぁ、このクラスの男子よりはいいかな？
私の感想はそれだけ。

美優が私にアイコンタクトを送ってきたので、私は微笑み返した。


「それでは、前の学校名と名前をお願いします」

先生がそう言うと、私達から見て1番左の男の子が名乗り出した。

「渋谷区立山城高校から来た松崎恵介です。よろしく!」
松崎恵介と名乗ったその子は、黒髪に茶色のメッシュが入っている。

「え～、同じく山城高校の小島貫太ッス。よろしく。」
小島君は、挨拶からもわかるとおり、ちょっぴり怖い感じ。
髪は黒だけど、ワックスでセットされていて、制服も少し着崩している。

「俺も同じく。安原章太。よろしくな。あっ！気軽にヤスとかって呼んでね！」
彼はフレンドリーオーラ全開。
彼の笑顔に数人の女子の目がキラキラしていた。
その中に…美優もいた。

「俺も同じ高校で、新藤達也。趣味はジョギング。よろしく」
ジョギングかぁ、それっぽい。
彼だけ肌が周りより焼けている。
黒髪の短髪で長身。

最後。

「俺も同校で、中西優希です。よろしくお願いします。」
なんだか…彼だけかしこまった挨拶。
珍しい地毛の茶髪。
どちらかといえば色白で、他の明るいっていうか派手な感じとは反対に大人しそうなイメージ。


それより…全員が同じ学校から転校して来ていたことに私を含め、みんなも驚いていた。

でも、ただの転校生としか受け止めていなかった私は、あまり気に留めなかった。
5人が席に着くと、隣になれた女子は赤くなって笑いかけている。

カタンッ…

物音がして横をみると、私の隣に、
中西優希くんが座った。

「どうも。」

私はそう軽く会釈すると、彼も無表情でぺこり。