私の家の近くに小さな公園がある。

ブランコと砂場とシーソーが1つのこぢんまりした公園。

学校で話し合いとかがあって疲れると私はいつもここに来る。

今日あったことを思い浮かべながらブランコに揺られていた。

キィ…キィ…

この音を聞くとなんだか落ち着く。

そろそろ帰ろうかな、と立ち上がった。

すると…

「本日2回目」

反対側の入り口から声が。

微笑んでいる彼を見て硬直する私。

なんでこんなところでまで会うの??

変でしょ!偶然なんてもう通用しない!

「ちょっと話さない?」

今日はこの後何か予定があるわけでもなかったので、いいけど…と承諾した。

「偶然だね、放課後2回も会うなんて」
「そうだね」
…本当に…偶然ならね。

「家、近くなの?」
声変わりはしているのだろうが、男子にしては優しくて柔らかな声。
「うん。その2つ目の角を右に曲がったとこ。」
「これも偶然!俺左。」

私はもう返す言葉もなかった。
家までもこんなに近いだなんて。

そんなんじゃ嫌でも朝1番に顔を合わせることになる。
そんなことでクラスの女子から反感を買うのも面倒臭い。