「かわいい乙女にキモイなんて言ってはいけません」 まったく、礼儀がなってないんだから。 そう言って髪をかきあげると、いつの間にか起き上がってあたしを見ていた絢斗が、 「ぐふぅ!!」 と吹き出した。 「・・・・・おい」 「・・・・・」 「・・・・・絢斗、」 「・・・・・」 「・・・・・鼻水とつば飛んだんだけど」 「すまん」 袖で荒々しくあたしの顔を拭きながら、未だに絢斗の肩は震えていた。