となると、もちろん普通の声で言った私の声は、彼らにも聞こえていたわけで。
竹下絢斗を取り囲むよう数人の女子、そしてクラスの周りにいた多数の女子が私を睨みつけてきた。
そして当の本人はというと、ぽかん、とした顔で私を見ていた。
「ばか!!そんなでかい声で何言ってんの!!私もちょっと思ったけど口に出したらダメでしょ!!」
バシン!!と私の頭を思いっきり叩いたはるか。
いやいや、あなた私の声より大きい声で言っちゃってますがな。
私の手を引いてそそくさとその場を離れるはるか。
その後ろでもう一度ちらりと彼の方を振り返ると、冷ややかな視線を向ける女子たちの中、ただ一人だけやっぱりぽかんとした顔でこちらを見ていた

