「あー・・・・・たしか・・・・・」




私は一年前、高校一年生の頃を思い出す。




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高校一年生の春。




入学した日から注目されている人がいた。




“竹下絢斗”




整った容姿にクールな雰囲気を醸し出す彼は、学年を問わずかっこいいと噂されていた。




そんな噂があるわけだから、もちろん私もその人物のことが気になっていたわけで。




「どれ?どの人?」




「ほら、あそこだよあそこ!真ん中の列の前から4番目に座っている人!かっこいいじゃん!」




はるかと一緒に竹下絢斗という人を見物しに、彼の教室まで来ていた。




もちろん、私たちの他にも彼のことを一目見ようと来ている人は何人もいた。