「よーしよしよし。やっぱ俺の力がねぇと、」 「あ、龍平そこの漢和辞典取って」 「オッケー」 「待て待て待て待て、俺が悪かった」 漢和辞典を振り上げるあたしに、絢斗は顔を青くして言った。 「なーにが俺の力や。普段アホなことばっかしとるくせに」 「ねー。ほんとに。ほうきで空飛べるって言って怪我したくせにね」 「お願いそれ以上俺の繊細な心傷付けないでほんとに」 あたし達に向かって土下座まで始めた絢斗。