・・・・・変人へと退化していた。


「ちょお待ってな。今見せたるから」


そう言ってポケットをあさり出したかと思うと、ポケットティッシュを取り出した。


「・・・・・あんた、高校生にもなってポケットティッシュ常備してるって、女子かよ」


「ちゃうねん。今日その目ぇ開けたままくしゃみができるのをみんなに見せるために持っててん。ほな見ててな」


龍平はポケットティッシュをこよりにし、鼻の穴に入れるとすぐに顔が歪み出した。


「わー、すごいすごい。ほんとに目開けたままくしゃみできてるよー。うん、すごい」


「ちょお待て。俺まだやっとらへん」


すでに教室へと向かいだしていたあたしの肩をつかみ、龍平が言った。



「はぁ。わかった。その特技は絢斗がきた時にでもやって。きっと絢斗も馬鹿なことして対抗してくるから」