もう一度竹下絢斗の顔めがけて振り上げた手を、パシッと掴まれる。 「ねぇ、俺と付き合ってください」 真っ直ぐに私の目を見てそう言う彼。 「っ、仕方ないな。しょうがなくだからね!しょうがなく!」 顔を真っ赤にしながらそう言う私の言葉は、さぞ説得力が無かった事だろう。 「うん、しょうがなくでもいいよ」 絢斗は、そんな私を見て嬉しそうに笑った。