「じゃ、行くか!」 竹下絢斗は私の手を握ってそう言う。 いや、行くか!じゃねぇよ。 ウィンク上手く決めてんじゃねぇよ。 さり気なく手握ってんじゃねぇよ。 言いたいことはたくさんあったけど、私が口を開くより先に走り出す竹下絢斗。 男子の走る速度に合わせて走れるわけもなく、正門を出る頃に私は半ば引きずられるようにして走ってたのは言うまでもない。