「あやかとはるかちゃんに手出したら、俺許さないよ?」 ちょうど私の位置からは、振り返った竹下絢斗の表情は見えなかった。 だけど、彼女達が青い顔になって何度も頷いたところを見ると、とんでもなくすごい顔をしていたに違いない。 「あ、はるかちゃんも一緒にどう?俺らと夕日に向かって走る?」 そう言われたはるかは、 「ごめん、私ちょっと体弱くて」 と言って、あきらかに嘘っぽい咳をした。 どこからどう見ても、360°見回しても嘘っぽい咳なのに、納得した竹下絢斗。