この本がいつ発売されていたのか、自分は本屋をやってるのに全く知らなかった。たぶん、ほとんど宣伝はせず、ひっそりと発売されたのだろう。



新潮社「メメントモリ」原田宗典



ジュンク堂書店でそれを見つけたぼくは、複雑な気持ちに襲われながらも、すぐにそれを購入し、近所の喫茶店で、一気に読んだ。


内容は主に身辺雑記。本を出していない期間、原田先生は何をしていたのか、あの震災のとき、何を感じたのか、なんで覚せい剤に手を出すことになったのかを、散文形式で描いている。


苦い気持ちで読み終わった。原田先生が、再び筆をとってくれたのはうれしい。すごくうれしい。でも、この内容は、エッセイのファンだった自分には結構きつい。なんで、こんなの書くのよ・・・とため息が漏れてしまう。いやあホント複雑な気分です。


ただ、文学的だな・・・とは思う。自然主義的な、ありのままを書くことで表現できる深みがある。


すみませんね。なんか暗いエッセイになっちまいましたが。


なんだかんだで、原田先生の新刊がまた出たら、ぼくは買うと思います。


この人の作品には、本当に元気をもらってきましたから。