・・・・・・・・・・・・正直、そんなに驚かなかった。後期のエッセイで、鬱に悩んでいたことが書かれていたし、妹の原田マハさんが、小説家としてかなり成功していたのに表に出なかったことから。なんとなくそういった予感はあった。


強い光には、濃い影がつきまとう。


輝かしいAKB48ブームのあとの、指原さんのスキャンダル。峰岸さんの丸坊主。ベッキーの不倫。


十代のぼくは、原田先生の明るく楽しいエッセイを読んでけらけらと笑っていた。そんな明るさの裏に、どんな影があったかも知らないで。


日記風エッセイ「道草食う記」によると、ぼくがあんなに笑って読んだ「東京困惑日記」を執筆されていた時も、劇作家として働いていた劇団「東京壱組」の人間関係のもつれに苦しんでいたという。