無理矢理お姫様

そのあとエリは私の速度の三倍の速度で帰っていったとさ、


早いな...

背中も見えなくなり私のスピードも落ちる



ちょうど校門に差し掛かったとき



「ひよちゃん」


「...へ?」




声のする方へ顔を向ける


「あ、西山くん久しぶり」



久しぶり、というのは 

最近全く会ってないから



あまり会話を交わすことはない



「久しぶり」



笑顔の西山くん





「...どうしたの?」


訳なく呼び止めるような人じゃないから、



 
「...これ」



そう言って西山くんは自分の鞄を漁った