溺愛協奏曲

車に乗り込むと蓮が包帯の巻かれた右手をそっと腫物にでも触るように握ってきた



あたしはドレスの裾をぎゅっと掴んで蓮の言葉を待った




「莉子・・・・ごめん、とりあえず今はごめんって言葉しか言えねえ・・・莉子に逢ったら


言いたいこととか話したいことが沢山あったはずなのになんか言葉になんねえ・・」




「蓮・・・・」





「とりあえず坊城グループの総帥がこの婚約の解消だけは約束してくれたから・・・・



だから心配すんな」




そうつぶやくとあたしの肩をそっと抱き寄せた



って・・・・え?総帥ってもしかして哲さんのこと?



「蓮、総帥って哲さんのことだよね?」



「あ?当たり前だろ!ってか、なんで莉子があの坊城グループの総帥と知り合いなんだよ


大事なひとだとかなんだとかどういう訳なんだよ!あのじいさんとどういう関係だ?」




え・・・どういう関係って・・・友達?だよね?




あ~坊城グループの一番偉い人に向かって友達なんて・・・・でもそれ以外にないよね




考えあぐねているとあたしは大事なことに今更ながら気付く



「蓮!大変!!拓巳くんと茜ちゃん達に黙って来ちゃったよ~」




「ああ、組のもんに連絡させた・・・・そんなことより俺の質問に答えろ

正直に言わねえとその口塞ぐぞ」



「へ・・・・?」





蓮の思いもよらないヤキモチ発言に驚きながらもあたしは嬉しさを噛みしめていた



哲さんとのいきさつを話すと驚きながらも優しく微笑む蓮に心が満たされる




車が着いた先は懐かしい東條組の玄関で・・・・




蓮に手を引かれ屋敷の中に入ると久しぶりだからなのか妙に緊張している自分がいた