溺愛協奏曲

「・・・・で、久しぶりに莉子ちゃんが来てくれたと思いきやこの手の傷は何?


う~ん結構深く切ってあるからこれは縫わないと駄目ね」




「え?そうなんですか?」




ここは東條組組員専用とも言える病院で、蓮のお姉さんである香織さんが勤務する



病院でもあって早速連れてこられたあたしは香織さんに診察を受けてる訳なのだが・・・・



「ねえ・・・早速治療のほうを始めたいんだけど蓮、出てってくれない?」




「あ?なんか問題あんのか?俺は治療が終わるまで莉子の傍にいる」




そう言うとあたしの左手をしっかり握りしめた



蓮が優しい眼差しで見つめている・・・・・あたしはそれだけで顔が火照るのがわかる



な・・・・なんかあたし達おもいっきりバカップル?かも・・・




「は~っまあ、あんたがいいって言うならいいんだけどさ・・・一度言い出したら

聞かないあんたのことだから梃でも動かないんだろうけど、莉子ちゃんには何があったか


全部話してもらうわよ?いいわね?」



「は・・・・はい、実はですね・・・・・」




香織さんはあたしの手を治療しながら黙って話を聞いていた



蓮はその傍らであたしの手を握ったまま傍を離れようとはしなくて病室には




あたしの声だけが響き渡っていた



切りつけられて手を庇った場面になると蓮があたしの手をぎゅっと強く握りしめた