溺愛協奏曲

蓮ｓｉｄｅ



もともとこの坊城紗枝子という女は顔見知りだった



パーティなんかでたまに顔を合わせる程度・・・・・美人だなって思ったけど



ただそれだけで莉子に感じるようなドキドキ感は全く感じねえ



もともと女という生き物があんまり好きなほうではなかったから



パーティなんかで顔を合わせるとやたらと絡んで来て媚を売ってくるような



仕草と態度に正直辟易していたのが正直なところ・・・・




そんな俺のもとに寝耳に水の話が舞い込んだのは文化祭も終わって一段落した頃




突然紗枝子という女は護衛の男を数人従え、自分の父親と一緒に急に訪ねてきた




アポなしで突然訪ねて来るのも驚きだが坊城グループのトップが直々に我が家へ



来たのに心底驚いた・・・・・だからなんとなく凄くいい話か悪い話かのどちらか




だろう・・・そう感じずにはいられなかった




「前置きなしでずばり言うけど・・・・あたしと結婚してほしいの


あたし、前からあなたのこと気になってたしもちろんお父様も了承してるわ



だから・・・「ちょ・・・・ちょっとまて！結婚ってなんだよ？



俺にはだな、すでに付き合っている女がいるんだ！お前とは・・・」




「わかってる・・・・・だから別れてほしいの簡単でしょ？」



この女は事もなげに言い放った


別れればいいだと？ふざけんじゃねえ！！




俺は何も言わずただ、黙ったまま女を睨みつけた