溺愛協奏曲

「慎ちゃん・・・・あたし・・あの・・」



「ふっ・・・困らせるつもりはなかったんだ、ただ僕が莉子のこと

大好きでいつでも味方だよってことだけは覚えててほしくてさ・・・


まあ、そんなことより本来の目的のおばあさん捜ししないとそろそろ

暗くなってくるしちょっと急ごうか」




「うん、そうだね」



それからあたしたちは学校からちょっと外れたところにある大きな小高い丘の上にある



公園に車を走らせた




この公園は花子さんと哲さんと一緒に一度だけ来たことのある公園で



ここから見た景色に花子さんがいたく感動していたのを覚えていたからなんだけど・・・・




もしかして・・・ここに居るかな?なんて思ったんだけど違うかな




そんなことを思いながら慎ちゃんと二人で公園を捜した



もう夕方なので遊んでいる子供たちもまばらで公園内には街灯がつき始めていた




花さん・・・どこにいったんだろ



ここだと思ったんだけどな・・・あたしの勘ははずれかな




うろうろと公園内をうろつき噴水の前までくるとすぐそばのベンチに人影が見えた




そこからは市内が一望できる特等席のようなベンチで・・・・




「莉子・・・・あの人じゃないのか?」



「そう、あのおばあさんが花子さんなの・・・はあ~やっぱりここだった」



花さんはベンチに座り裸足のままただ黙って遠くを見つめていた



綺麗な白髪の髪が風に揺れていてあたしが傍に来たのにも気付かない




あたしはほっとしたのか思わすその場にしゃがみ込んだ