振り向くとオレンジ頭の背の高い男の子




拓巳くんがいつになく真剣な顔であたしを見つめ立ち竦んでいた



「た・・・拓巳くん・・」



「莉子ちゃん、どうしたの?そんなに慌てて何かあった?」




「実は・・・・」




あたしは掻い摘んでこれまでの経緯を話してさっきの電話のことを話した



すると拓巳くんは少し考え込むように俯くとふいにぎゅっとあたしの腕を掴んだ



「俺、今日はバイクで来てるから一緒に捜してあげるよ!さあ行こう!


あ・・・そうだ!すいません5号室の人たちに言っといてもらえますか?


拓巳と莉子は先に帰りますって!じゃあ莉子ちゃん急ぐよ!」



カラオケボックスの店員さんに大きな声でそう告げると急いで駆け出した



駐車場には大きな黒いバイク




拓巳くんはさっとあたしにヘルメットをかぶせると抱っこして後部座席にあたしを乗せた



「え・・・・これって・・・拓巳くんの分は?」




「俺は大丈夫・・・・慣れてるし、そんなことよりさあ行くよ!」





バイクにまたがりエンジンを掛ける



エンジン音があたり一面に響く・・・・すると行く手を遮るようにさっと白い車が止まった




ん・・・・?これってベンツ!?ベンツだよね



バイクに跨ったまま驚いていると後部座席から出てきたのはスーツ姿の慎ちゃんで・・・



なんで慎ちゃん?どうしてこんなところにいるの?



あたし、慎ちゃんにここに居るっていったっけ?



などと考えあぐねていると不機嫌そうに拓巳くんが溜息をついた