溺愛協奏曲

時はあっという間に過ぎ秋晴れのこの日・・今日はいよいよ文化祭




前の日から準備して男子は買い出しやら教室内の飾りつけ




女子はメイド服の手直しやらケーキ作り、ドリンク類の準備に追われた



そしてあたしは今控室の鏡の前でにらめっこ




濃い緑色のふりふりのエプロンを付けたメイド服を見て溜息



何故かって・・・・・短いんです




短すぎる~なんなのよ!聞いてないし!!




着替えて、驚いたのなんのって・・・



「これ・・・超ミニ・・・・なんですけど」




鏡の前で呟くあたしをよそに隣にはテンションマックスの玲奈ちゃん





・・・・・とクラスの数人の女子



「きゃ~莉子ちゃん似合うよ!ってか予想以上」



そう言って呟く玲奈ちゃんもめちゃくちゃ可愛いんですけど




「高遠さん似合ってるし・・・・ってか色っぽい」




「ほんとだーねえねえ高遠さん!ここ座って~ヘアとメイクしてあげるから


きゃ~腕が鳴るかも」





きゃあきゃあ騒ぐクラスの女子のパワーに押されおもちゃにされたあたし



普段すっぴんでメイクなんてほとんどしないあたし




髪もストレートだし・・・・



そんな普段のあたしとは別人の女が鏡の中に居て・・・・・




「え・・・・これあたし?」



「元がいいからほとんどいじってないけどやっぱ綺麗だわ~これは無料券


うちのクラスで頂きかも~」




はしゃぐクラスの女子に辟易しながら溜息をつく




このメイド服脱ぎたいっていったら怒られるよね




鏡の中の自分に心のなかでそう問いかけた