何かを決意したような表情の玲奈ちゃんの頭を蓮はくしゃりと撫でる



「玲奈・・・ここに居る奴らはお前の話を聞いてもお前のこと


嫌いになんてなんねえから安心しろ、いざってときは俺たちに



頼れってかもう、全部吐き出してしまえ」




「うん・・・ありがとう蓮兄」



「そうだよ、玲奈ちゃん悩んでないであたしに話して


あたしに出来ることならなんでもするから・・・ね」



「そうだよ、玲奈ちゃん俺たちをもっと頼っていいんだよ」



うっすら涙を浮かべて頷く玲奈ちゃんは深呼吸をすると



遠くのほうを見つめてゆっくり話し出した




まるで誰かに語りかけるように・・・・



「あたしが中学に入るとひとつ上の学年に蓮兄がいて

ごく自然に拓巳くんとか涼くんとかとも話すようになったの


その頃、蓮兄たちは音楽室を溜まり場にしてて何度か連れてきて



もらったあたしは蓮兄のいとこっていうのもあって皆と自然に


話すようになったんだけど何度か出入りしているうちに隣の


クラスだった茜ちゃんのお兄さん、龍斗さんと知り合って・・



一目見て心臓を鷲掴みにされた・・・あたしの完全な一目ぼれ



それからは毎日のように放課後は蓮兄の音楽室に直行って日々


もちろん龍斗さん逢いたさに行ってたんだ、でもある日の放課後に突然



龍斗さんに呼び出されて告白されたの・・・・付き合ってほしいって


最初に見たときから好きだったって、嬉しかった



天にも昇るような気持ちっていうのかな?うれしくってうれしくて



もちろん即頷いた、だって黙って頷くしかできなかったの・・・胸が一杯で・・・」




龍斗さんという意外な人物の登場に驚いたけれど玲奈ちゃんの表情から



幸せそうなオーラが漂ってきて思わず微笑んだ




でもその表情が一瞬にして曇ってしまいあたしの心はそれだけで動揺した