溺愛協奏曲

刺されて緊急手術をしたもののなかなか意識が戻らなかったみたいで



あたしは一週間ほど眠りつづけていたみたい




だから、今日はあの事件から一週間後




色々聞きたいことは沢山あったけれど・・・





あたしの手を握りしめてそっと髪を撫でる蓮の顔をみたらほっとして・・・・




「ったく・・・心配掛けやがって」




「ごめん・・・・ね」




「親父さん・・・健人さんも来てっぞ・・・心配して一週間ほとんど


寝てねえみてえで隣の病室で仮眠とってたんだけど今、うちの親父が



起こしにいった」




ふっと蓮が苦笑いしているとバタバタと廊下を走る音が聞こえて




荒々しくドアを開ける音が部屋中に響く




息をきらして立っていたのは久しぶりに見るお父さんの姿




「莉子！」





「お父さん・・・・」




お父さんは少しやつれたみたいで顔には隈が出てて・・・



なんだか・・・あたしだいぶ心配かけちゃったみたい



「お父さん・・・ごめんね」




「いいんだ・・・謝ることなんかない、でも・・・本当に助かってよかった」




涙ぐむお父さんなんて初めてみたから心の底からごめんねと何度も謝った



お父さんと蓮は久しぶりの再会に喜んで話に花を咲かせていた



色々なことがありすぎて疲れていたのか二人が帰って行ったのも気付かず




いつの間にか眠りについていたらしい、自分が思っているより体力を消耗していたあたしは




お父さんと蓮が、茜ちゃんを呼び出し東條組で話し合いをしていたことなど全く



知らずに再び眠りについた