気が付くとそこには見たこともないような花が咲き乱れる一面の花畑




なんだかいい香りがして優しい風が吹いている




ふと、前を見ると目の前には大きな川が流れている




そこには赤い綺麗な橋が架かっていて、対岸には人が居るのが見えた





よく見るとそこに居たのは小学校三年の頃亡くなってしまった母方のおばあちゃん




とても可愛がってくれて優しいおばあちゃんがあたしは大好きだった




「おばあちゃん!あたし、莉子だよ」




「莉子・・・・大きくなって・・元気そうでよかった」




涙ぐむおばあちゃんを見て傍に行きたくて橋を渡ろうと駆け出した



「莉子!来ちゃ駄目、」



おばあちゃんの一言に足が止まる



あたしはおばあちゃんの傍に行きたいのに・・・なんで?



「やだ・・・やだよ・・おばあちゃんの所に行く!」



「おばあちゃんも莉子と一緒に居たいけど莉子にはまだ

やるべきことが沢山ある・・・・だからまだこっちへ来ちゃ駄目


莉子のこと愛してくれる人が沢山いるでしょ、また逢う日が必ず


来るからそのときまでおばあちゃんはいつまでもここで見守ってるよ」



そう呟くと光の中に消えて行ったおばあちゃん



うっすら目を開けると心配そうに見つめる蓮と涼くん



組長さんである蓮のお父さんの顔がそこにあった