溺愛協奏曲

訳がわからず頭が混乱する



なんで・・・あたし別にトイレに行きたいなんて一言も言ってないのに・・・



「茜ちゃん・・・?」




あたしの声にピクリと反応する



冷ややかな顔が覗いていたかと思うと




「気安く呼ばないで」




そう呟く彼女はいつもの可愛い茜ちゃんではなかった



すると・・・あっという間に入り口から数人の若い男達に囲まれる




にやにやと不敵な笑みを浮かべながら近づいてくる




き・・・・気持ち悪い




後ずさりするとトイレのドアに突き当たる




嫌な予感が駆け巡り逃げようとするとすかさず後ろから羽交い絞めにされる




「おっと~逃げんなよ」




「おとなしくしてろよ!」



男達に口元を布で覆われると意識がぷっつり途絶えた




最後に見たのは茜ちゃんの口角を上げた不敵な笑み




蓮の笑顔が頭をよぎってあたしの呟きが空を切った





「れ・・・・・ん・・たすけて」