「あ〜先帰ってていいよ」

七海は麻衣に分からないようにほんの少し頬を赤く染めた。 

「うん、分かった」

「………ちょっと待ったぁぁぁぁあ!!!」

七海が突然叫んだ。 

「普通さ『え?何かあるの?』とか『じゃぁ待ってるよ!』って言うもんでしょう?!」

「えーだって……」

七海はもういいよといい手に持っていたホウキをしまった。 

「じゃ、七海も早く帰りなよ」

麻衣はカバンを持ち教室から出ていった。 

「さて……麻衣の恋を成功させるにはまずは自分の恋を成功させないと」

七海は独り言のように言い、教室から出ていった。