ちょーだい。




『....そっちが素だから。瑠衣を家に連れてくるために青年気取ってただけ』




はあ.....。

じゃあ二重人格じゃないんだ?




『そこまでしてあたしを連れてきたかったの??』




『................まあ』




奏にしては曖昧な答え。




そんな奏に疑問を持っている暇もなく奏が話始めた。



『じゃ、俺が質問してい?』



『うん........。』



なんか、はぐらかされただけなような........?




『瑠衣、親は?』




................え?




質問って....そーゆーことなの?




『........答えて?』





答えたくない。

答えたらあたしはどうなる?



わからない。



普通でいられるかな?




人に言って、人に頼ったらどうしよう?




もし、万が一、その人があたしを受け止めてくれたら?



ダメ。優しさを知ったら、人の優しさに寄生してしまう。




優しさを知らないから、愛を知らないから今まで耐えられたんだよ。