そう言うと、
ガタッと神崎さんが席を立った。


その時……、


『……お前の仕事が終わったら
俺の部屋に来い。

……覚悟、しとけよ?』



耳元でボソッと私に言ってきた。


背筋が凍るような甘い声。


それでも、私の胸の高鳴りは
止まらなくて……、



そのまま、神崎さんを見送る事しかできなかった。



それにしても…覚悟って…なんだろう?

何を覚悟すればいいのかな?



私は、全くと言っていいほど…あの言葉の意味がわからなかった。


流石に、殴ったりはしないよね…。


頭の中が、モヤモヤしながらも、
私は、メイドの仕事を全て終わらせた。