** 小春の物語 **【完】








頭に天津飯が乗ってるんだぞ?



水をぶっ掛けられたんだぞ?



大事な書類が汚されたんだぞ?




それなのに……、
どうして、こんなにも
気になるのだろうか。



いつも、余裕がある俺なのに…
居ても立ってもいられねぇ、なんて。

信じられなかった。


出ていけ、と怒鳴ったくせに…、

戻って来い、と思う俺。


かなり矛盾しているけど…、


あいつが出て行く前に、
引きとめないといけない。


でも、流石にこの格好で走って行くのは
馬鹿だと思ったから、


急いでシャワーを浴び、
半濡れのまま着替えて、


そのまま、部屋を飛び出した。