あの後……、
神崎さんは…まだ、仕事が残っているといって先に中に入って行ったが、
なんと、私までこの豪邸の中に入ることになったとは…。
執事さんが居ながらも、
感動しながらキョロキョロ
歩いて行く私。
「…うわぁ、綺麗……。」
床には、赤で金の刺繍が入った
絨毯がひいてあり、
天井には見事なシャンデリアがある。
そして、数々の有名な絵画が所々に飾ってあり、その両端には2階へと続く階段がある。
「執事さん!
本当にここに神崎さんが住んでいるのですよね?」
『はい、お嬢様。
ここの、最上階には
拓海様と正人様と優美子様が住んでおります。』
ちょっと…さっきお嬢様と
言ったよね!?
わ…私がお嬢様だなんて!!!
言葉が勿体なすぎます!!!
「お…お嬢様だなんて……、
私には、縁の遠いお言葉です!
もう、普通に天野でいいですよ!」
『いえ…
天野様は、お嬢様に相応しいお方だと思いますよ。そんな、遠慮なさらずに…』
「え…ぁ…、
ぁ…ありがとう…ございます。」
お嬢様という言葉に照れて
お礼の言葉が小さくなった。
それでも、
ニコッと笑ってくれる執事さんに安心して、私の部屋に行く事になった。