** 小春の物語 **【完】









「それは、できま『出来ないとは、言わせないわ。

貴方、私の会社、知ってるわよね…?


もし…、
拓海と深く関わるような事をしたら…、


この私が、許さないからね?天野さん?』



ゾクッ…。


背筋に悪寒が走った。


色っぽさの中に…、
嫉妬が入り混じった声。



私は、その後…


何も言い返せなかった。



しばらくそのまま、突っ立っていると……


麗華さんが、また口を開いた。



『何も言い返せなくなったみたいね。

じゃあ、私……、

これから
用があるから、これで失礼するわ。

天野さん、バイバイ。』



そう言うと、背を向けて…

歩き出そうとした時。



『これから…、


私の事は、“麗華様”と呼びなさい。』



…と言い残してカッカッと歩いて行った。


拓海さんの部屋の方向に…。