** 小春の物語 **【完】







降ろしてから気づいたけど、

あのインターホンで見た時よりも
何十倍も可愛かった。


白い肌に大きな目、

薄ピンクに染まった唇、

緩く編んだ三つ編み。

そして、キラキラ輝くピン留めは
一層女の可愛らしさを引き立てていた。


可愛いという言葉がピッタリな女が…
そそくさと口を開いた。


『あっ!!!神崎さんですよねっ!?


助けていただき、有難うございます!』



降ろして早々、
ぺこりと頭を下げられる。


俺は、仕事の邪魔をされた事に腹が
立っていたから、

今後の注意を促したところで、明々後日から高校に行く事を進めた。



なんたって、親父の頼みだ。
決して破る訳にはいかない。