** 小春の物語 **【完】








ジャングルに着くと…

あんがい、あの女は、
すぐに見つかった。



遠くから見ると
ホワイトタイガーに恐れて、
オロオロ戸惑っているように見えた。



俺は、その隙に
頑丈な鍵を開けて中に入る。


すると、目の前の女が
ゆっくりと床に寝ころび始めた。


まさか、死んだふりをする気か!?


と…思った瞬間___


俺の予感はいとも簡単に当たった。


“なんなんだ、あいつは!?

死んだふりをして逃げて行く
肉食動物はいないだろっ!?”


そう思いながらも、女の傍に駆けつけ…
抱きかかえながらも
猛ダッシュで檻の外に走った。