** 小春の物語 **【完】









『ハッハッハッ…!


嘘だよ、小春。


ずいぶん、悩んでる顔をしているけど、


お父さん、実際に働いたら…


帰ってくる時間が遅くなったり…、
帰ってこれない時があるかも


知れないんだ。


だから、もうしばらく…ここにいてもらう事になるが…いいか?』



嬉しいような、悲しいような…

複雑な気持ち。



でも、お父さんがこう言ってくれるのなら…ちょっとだけ甘えてもいいかなっ?



「ぅ…うんっ。

私も、ここで働いて…恩を返したい!」



これは、私の素直な気持ち。


今まで救ってくれた拓海さん達に恩を
返したい気持ちは、

お父さんと変わらない。



『……ハッハッ、流石…

私の娘だな…お前は…。』



そう言われながらも、くしゃくしゃと私の髪の毛を撫でるお父さん。


私は、それだけでも…とても嬉しかった。



今まで、刑務所にいたお父さん。

どんな仕打ちがあったか…
私がわかる訳がない。


だけど……、


10年間も、家族に会えない苦しみや辛さなら私にも、わかる。