** 小春の物語 **【完】










「お父さん!起きてっ!お父さん……!」



そう叫んでいる間も
警察は次々と捜査を続けていた。



『えー…。この殺された男は…
今、高校生だそうです。』


『…名前は?』


『えーと、確か貴地谷 透(16)で、
ここに来たのは_____………』



___貴地谷 透


“キジタニトオル”




___…
_____……



そう。

“貴地谷”なんて言う苗字の人は
滅多にいない。


一回だけ、調べて見た時にも6世帯くらいにしか、いない事が分かった。


香苗さんも、同じ苗字なのに…、
どうして今まで気づかなかったんだろう。


それでも……、

やっぱり……、

透さんはこの人だったんだ。