** 小春の物語 **【完】









目を閉じた暗闇から、
じわじわと何かが近づいて来る。


うっすらと感じる吐息。


そして…
何かがゆっくりと重なっていく。


そんな不思議な感覚に
追われていると……。




___チュッ





軽い音を立てたと同時に、
唇に何かが重なった。



これって………。



「……た、拓海さん。

ぃ…今……、キ、キスしましたか?!」



『……あぁ。』



「〜〜〜〜////!!!!!?」



私は、言葉に鳴らない声をあげて、

後ずさりした。



それと、同時に気づかない内に
ナースコールを押していたみたいで…



「た、拓海さん…私の事好きでもないはずなのに…どーしてしたんですか!?」



『はぁ…。

俺の気持ちくらいわかれ。

俺はな…お前の『天野さんっ!どうかなさいましたか?』



「『えっ?』」