** 小春の物語 **【完】











着いたら、すぐに出席確認をされて…

班ごとに別れて、
飛行機に乗る事になった。



『飛行機の席どうする?

あたし、香苗か奈実がいいんだけどー。』


『うちも!香苗か絵莉で!

絶対にこの女と一緒に何時間も過ごすなんて嫌よ。』



___ズキッ




やっぱり、私…仲間外れにされちゃうんだね。



___思い出される過去。


“犯罪者の娘”と攻められ…
酷いイジメにあっていた私。


“父は犯罪者なんかじゃない!

私、この目でちゃんと見たんだから!”


そう訴えても貧しかった私の家は、信用されず、結局は小学校を卒業するまで、
イジメられ続けた。


中学校も高校も、わざわざ遠い所に通い…イジメられる事はなくなったけど…


父を、思い出すたびに…


同時に思い出される過去。

隠れた心の傷に私は、今も必死に闘っているのだ。