王様のいる学校





初めてのメール。



バイト先には風邪をひいたと連絡していたことを思い出し、心配してくれていたことを知った。



少し素っ気なくも感じる文。


だけど、心配してくれているという気持ちは、すごく伝わってきて……


嬉しくて嬉しくて、また涙がでてきた。




「えっと……、どうやって返そう。」



何回か文を作ってみたけど、なかなか決まらなくて。


やっぱり好きな人に返すメールって、緊張する。



結局作るのに15分もかかってしまい、やっとの思いで送った。



そして、ふぅーとまた寝転がる。



真っ白な天井を見て、いろいろなことが頭をよぎった。


昨日見た光景が、目に焼きついて離れなくなっていたんだ。



やっぱり彼女だったんだよね。

篠山先輩……



あんなに楽しそうに、たしか腕まで組んで歩いてた。



すごくおしとやかだし、女の子っぽいし、可愛し……


やっぱりそういう人がタイプなのかな。



一度もタイプの話なんて、したことがないから全くわからない。




「はぁ…、つらいなー。」


部屋で一人、そうつぶやく。