最初一人でいた先輩は、近くのお店から出てきた人と合流した。
その人は女の人で……
しかも、篠山撫子先輩だった。
「やっぱりさ。惚れられるのが迷惑って、彼女がいるってことだったのかもね。」
悲しくなりながら、震える声で言う。
そして目にたまった涙が、たえきれなくなってこぼれ落ちた。
先輩たちが、楽しそうにその場から消えていったあとも、その場所をじっと見つめて涙を流した。
そんな私の頭を撫でて、慰めてくれている優希に抱きつく。
そして暗くなった夜道を、とぼとぼと歩いて帰った。
その日は一日、なかなか寝付けなくて……
布団の中でズキズキとしている胸を押さえながら、涙を流し続けた。
「先輩……。」
次の日、私は初めてバイトを休んだ。
泣きすぎて目が腫れてしまって、外に出れるような顔じゃなかった。
それに、朝起きたら頭がガンガンして、起き上がることすら辛かった。
バイトの休みを連絡すると、またもう一度眠りについた。
