「あー、もううるさい!」
そもそも、そんなわかりやすくないし。
たしかに片岡って、相当鈍感だけど…
「たく、藤は一年も一緒にいて何やってるんだよ。」
いきなり、ガチトーンの声がはいりこんでくる。
さっきまでからかわれてたり面白がられてたから、ちょっと驚いた。
少しピクッと反応して、そして悔しそうに頭をかく。
「もう今さら言い出せなくなってんのー。片岡、ちょっとストレートに言うと、すぐ避けはじめんだよ…。」
これはマジな話。
本当に悩んでる。
こんなことだと、告白なんてしたら一生口聞いてもらえない気がする。
「モテモテ藤くんでも、苦戦することあるんだなー。」
「うん。」
「うん。」
みんなが首を縦にふる。
でも別にモテモテって言ったって、好きな女の子にモテなきゃ意味なんてないんだ。
まあ、片岡が他のそんな女子たちと違うっていうのも、惹かれる理由だったりするんだけど。
