「え、なんで?ここでバイトしてんの?」
一度気持ちを落ち着かせて、ようやく発することのできた言葉。
「あ、うん。ここ知り合いのお店で…」
「そうだったんだ。ビックリしたよ、いると思ってなかったし。」
そう言うと、片岡はニコッと笑って「あ、11名様ですね。」と言う。
いきなり入ったバイトスイッチに戸惑いながらも、受け付けをすませた。
そして外にいるみんなに伝えにいくと、ゾロゾロ中へと入る。
何人かは片岡に気づいて、驚いていたり話しかけたりと反応していた。
「あ、じゃあ、またな。」
最後尾についていきながら、別れ難くも手をふる。
バイト中じゃ話すこともできないし…
片岡も手をふり返してくれたのをみると、落ち込みながら前に向き直る。
するとタメのやつらが俺を見ながら、ニヤニヤして待っていた。
「なんだよ、お前ら。」
「あれあれー?藤くんってば、片岡ちゃんと離れ難いみたいですねー?」
