王様のいる学校





私たちは、いつの間にか夏休みを迎えていた。





優希に先輩のことを話したら、


「私が余計なこと言ったから…、ほんとごめん!!」


と、すごく謝られた。




笑って優希のせいじゃないと言うと、突然バイトを進めてきた。




「こういう時こそ、忙しいのが一番!そしたら自然と忘れるよ!」




明るくて前向きな性格に背中を押されて、私はカラオケでバイトをはじめた。




「柚ちゃん、毎日入ってもらって悪いねえ。せっかくの夏休みなのに。」



「おじさんには昔っからお世話になってるから!それに私なんか雇ってもらえて、すごく感謝してる。」


私はそう言ってニコッと笑う。



すると事務室で一緒にお茶を飲んでいた店長も、ニコッと微笑んだ。




バイトしているカラオケ店は、中学の頃からよく行っていたところ。


そしてここの店長さんはお母さんの友達で、よく小さい頃に遊んでもらっていた。