ふいに呼んだ俺の名前。
「え、なんで俺のこと…?」
今日初めて会ったはずなのに、何で知ってるんだろう。
そう思って不思議そうに聞くと、え?という顔をした。
そして、
「だって同じクラスでしょ?」
思いがけない言葉だった。
一学期間同じ教室にいたのに、全然知らなかった。
「ごめん、わかんなかった…」
「ううん、大丈夫。私、目立つ方じゃないから…」
そう言ってうつむき、照れた顔で笑った。
そんな彼女が本当に可愛いと思った。
夏休みが終わって新学期を迎え、改めて教室を見渡す。
すると、窓ぎわで宮野と話している片岡を見つけた。
同じクラスだったと再確認した俺は、申し訳なさでいっぱい。
あの時から会っていなかったし、また話したいと思ってた。
そんな時、席替えの時期になって……
奇跡がおこった。
片岡と席が隣りになったんだ。
それからまた話すようになって、仲良くもなれた。
