王様のいる学校




本当におもしろいやつだ。


からかいがいがある。


「いいぜ。その代わり、お前が俺のターゲットになれ。」


「え?」


俺は思わず、フッと笑みを浮かべた。




「お前の望み通り、あいつをターゲットから外してやるって言ってんだよ。その代わり、お前がターゲットになって、俺様の下僕として仕えるんだよ。」




きっと動揺している。


俺のターゲットになることは、誰もが避けたがること。



さすがのこいつでも、りんごのために自分が身代わりになるなんて…


そんなことするはず……


「いいですよ。」


怯えた顔もせず、決意した顔で即答。



思いがけない返答だった。



ここはすんなり謝るか、逃げるかの二択しかないはず。


なのに…、受け入れた。



「それで片岡から手を引いてくれるって言うなら、俺はかまいませんから。」



そんなことを言う爽やかくんの顔を見ていたら、だんだんムカついてきた。